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株式会社meguriは、2024年7月から10月まで、株式会社UPDATERのバックオフィス業務改善プロジェクトに伴走しました。ご依頼いただいた背景や成果について、同社取締役の真野秀太さん、ALLBACKSマネージャーの一戸有紀さんに伺いました。
株式会社UPDATER
「みんなが自由に電力という富を作り出し、みんなが好きな電力を選ぶ社会を作りたい。そうすれば、独占されていた富が分散化され結果的に、貧困のない社会になる」という想いから2011年に創業。再生可能エネルギー100%※の小売電力を中心とする脱炭素事業「みんな電力」を運営する。現在は「顔の見える電力」で生み出したさまざまなつながりや、テクノロジーを活用してサステナブルやウェルビーイングなど幅広い社会課題解決型の事業を行っている。ALLBACKSは事業のバックオフィスを担い、法人営業のサポートから、カスタマーサポートまで幅広く対応するチーム。
※みんな電力では、再生可能エネルギー由来の電気に、再生可能エネルギー指定の非化石証書の環境価値を組み合わせることで、再生可能エネルギー100%の電気を供給している(CO2排出量もゼロとなる)。
https://www.updater.co.jp/
●課題――会社の成長スピードにバックオフィスの体制整備が追いつかず、ひずみが発生していた
――業務改善を検討された背景を教えてください。
左が真野さん、右が一戸さん
真野:この3〜4年で法人契約が急増し、法人向け電力事業を行う脱炭素事業部のバックオフィス業務の体制が変化に追いついていなかったのです。業務フローやマニュアルはあったものの、アップデートしきれておらず、仕事が属人化し、事務処理にもひずみが発生していました。一戸さんたちも業務の効率化とミス予防の対策を進める必要があると判断して少しずつ取り組んでくれていたのですが、目の前の業務に追われ、どうしても対応しきれない部分がありまして。外部の力を借りて、一気に進めたいと考えました。
――外部パートナーとしてmeguriを選んでくださったのはなぜですか?
真野:複数社のコンサルティングの会社にご相談し、検討した上でmeguriさんにお願いすることにしました。大きな組織だったらコンサル会社の持っているフレームワークに当てはめていただくだけでうまくいくのかもしれませんが、うちはいろいろなものが整っていない状態だったので、寄り添うようにコンサルをしてくれる会社がいいと思ったんです。
一戸:お打ち合わせの際にお話をお伺いする中で、meguriさんなら寄り添いながら一緒に考え走ってくれそうだと感じました。
真野:また、meguriさんは自然電力さんの創業初期からスケールしていく時期に何年も伴走されていましたよね。自然電力さんの川戸代表に少し相談させていただいたところ、meguriさんのサポート内容が弊社の課題にマッチしていることが確認できました。電力業界はやや特殊なので、仕組みを理解していただくだけでも時間がかかります。業界事情や業務内容を把握されているなら話が早いし安心だと思いました。
●改善に向けたステップ ――業務の標準化を進めひずみを改善。ヒアリングを通して見えてきた真因をもとに、マネージャーの配置を提案
――実際に業務改善プロジェクトを進めてみて、いかがでしたか?
一戸:私たちはまず業務のひずみを改善するための洗い出しをお願いしたのですが、meguriさんはじっくりとヒアリングいただいた上で、「それももちろん重要だけど、先に業務の標準化を進めたほうがいい。標準化することによってひずみを改善しやすくなるから」と提案してくださいました。
それまでも一応部分的なマニュアルはあったのですが、改善の必要性をずっと感じつつ後回しになっていたんです。フォーマットをご用意いただき、こちらが記載した後にアドバイスもくださり、納得のいく業務フロー図や手順書ができました。meguriさんに言っていただかなければ、いまでも完成していなかったと思います。
標準化を進めたことでひずみがどこで発生したのかが可視化され、業務フローの変更やマニュアルへの落とし込みなどの具体的な改善案もご提案いただきました。
真野:また、それらと並行して社員へのヒアリングも実施していただき、その結果から「課題の真因は脱炭素事業部の体制にある」と分析してくださいましたよね。元々のスコープは業務標準化やマニュアル作成、リスクの洗い出しでした。スコープ外のことまで提案してくれるコンサル会社は少ないのではないでしょうか。型通りにこなすのではなく、プロジェクトを進めるなかで見えてきたことに合わせてやるべきことを柔軟に調整し、本当の問題を見つけて解決しようとしてくれたので、とてもありがたかったです。
――それまでは脱炭素事業部部長の下にALLBACKSのチームリーダーとして一戸さんが配置されていましたが、部長の業務範囲が広すぎて一戸さんにリーダー以上の負荷がかかっていた状態だったので、部長の下にALLBACKSのマネージャーを置く提案をさせていただきました。
真野:かなり踏み込んだ提案ですが、真剣にうちの会社のことを考えてくれているんだなと感じました。
一戸:自分たちも体制に問題があることはなんとなく認識していたのですが、社内にいると言及しづらい部分でもありました。社外の立場から的確にアドバイスしてくださったから、体制の見直しがうまく進んだのだと思います。
●コンサルを入れた効果――悪循環が断ち切られ、メンバーの意識が変わった
――業務改善プロジェクトの結果、社内はどのように変わりましたか?
一戸:コミュニケーションが大きく変わりました。それまでは本音でぶつかれていないところがあったのですが、きちんと意見を言い合えるようになり、少しずつではありますがチームへの信頼感が生まれてきたと感じています。
meguriさんがまとめてくださったメンバーへのヒアリング結果を読み、「みんなこんなことを考えていたんだ、知らなかったな」「もっと話さないといけないな」とお互いに実感したことがよかったのかもしれません。また、マニュアル作りを通して「みんなで同じ目標に向かって手を動かす」経験をしたことで、結束力が生まれたのだと思います。さまざまな仕事を自分ごととして捉えて取り組んでくれるようになりました。
真野:一戸さん自身も目線が高くなったと思います。それまではやっぱり仕事がパツパツだったから、忙しいときに営業からイレギュラーな依頼が来ると、ちょっと「げっ」という顔をしていましたよね(笑)。
一戸:表情に出ちゃっていましたか(笑)。
真野:でも、いまは会社としてその案件がどういう位置付けで、来年再来年を見据えた上でALLBACKSとしてどう動くべきかを考えてくれるようになりました。「任せてください」みたいな。とても頼もしく思っています。
一戸:チームのメンバーがすごく頑張ってくれているので、仕事を任せられるようになり、会社全体のことを考える余裕が出てきたのだと思います。
この1月にも新しく派遣社員の方が入ったのですが、業務フロー図や手順書を活用し、仕事を覚えてもらっています。これまではアップデートが追いついていなかったため、教えるのに時間がかかったり、人によって内容が異なったりしていたんです。必要なものが整い、人材育成がしやすくなりました。
真野:脱炭素事業部は12月〜4月が繁忙期なのですが、もしmeguriさんにコンサルをお願いしていなかったら、いま相当まずい状態になっていた気がします。雰囲気も悪くなり、悪循環に陥っていたんじゃないかな。業務が整理されて、マニュアルができて、体制も改善されて、みんなのマインドがポジティブに切り替わりました。脱炭素事業部は会社の柱なので、そこが安定したのはすごく大きいと思っています。
――今後取り組みたいこと、さらに改善したいことはありますか?
一戸:会社がスケールしていくと、バックオフィスはどんどんやることが増えていきます。さらなる効率化は必須だと考えています。
真野:今回業務内容を棚卸ししたことで、さらなる効率化を進める下地ができました。いまは体制が変わったばかりですが、一戸さんがマネージャーとして成長することで、メンバーの底上げもできるはずです。会社の成長スピードに追いつくよう、体制を整えていきたいですね。
一戸:また、今回行なっていただいた業務の標準化や見える化のアップデートを、ほかのチームにも広げていきたいです。
――最後に、meguriへのメッセージや、今後期待することがあればお聞かせください。
真野:meguriさんと一緒に仕事をして、クライアントにしっかり向き合うことは本当に大事だと実感しました。「クライアントの真の課題を解決する」といった肝の部分に踏み込むのは精神的にもしんどいし、効率を考えると避けがちだと思うんです。でも、meguriさんはそこから逃げずに、本気で取り組んでくださった。お願いして本当によかったです。
一戸:真野さんに全部言われてしまいましたが、meguriさんは、とにかく私たちに寄り添い、一緒に業務改善に取り組んでくださいました。社内の人のような熱心さで、社外の人だからできることをしてくださったので、とても心強かったです。こういうコンサルティングを必要としている会社は弊社以外にもきっとたくさんあるのではないでしょうか。今後もその姿勢を貫いていってほしいなと思います。本当に、ありがとうございました。