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あなたの「めぐらせたいもの」はなんですか? ~meguri 10th Anniversary Partyレポート~

Writing
Emiko Hida
Photo
Sayaka Mochizuki
あなたの「めぐらせたいもの」はなんですか? ~meguri 10th Anniversary Partyレポート~

創業から10周年を迎える株式会社meguri。2024年10月24日木曜日、仕事仲間や取引先、お世話になっている方々をご招待してmeguri 10th Anniversary Partyを開催しました。その様子をレポートします。

加藤侑子さん×仲間暁子さん×松本綾弓によるインスピレーショントーク

会場は巣鴨にある「RYOZAN PARK LOUNGE」。18時を過ぎると、30名ほどの招待客のみなさんが続々とお越しくださいました。


続々とご招待のみなさまに集まっていただきました

予定どおり、18時半に会をスタート。まずは、meguri代表・松本綾弓から、このパーティを企画した意図をご説明しました。

松本:今日の会のコンセプトは「ありがとう」と「つながり」です。meguriを立ち上げて10年、「人間らしく豊かな社会をつくる」をキーワードに、パートナーやクライアントのみなさんと共に歩んできました。まず、そのことに対する感謝の気持ちを伝えたいと思っています。そして、そんな素敵なみなさんが出会ってつながったら、何か新しいことが生まれるかもしれない。そういう場にしたいと思いこの会を企画しました。

また、10周年を記念して複数の対談記事を企画し、昨日からmeguriのサイトで公開を始めました。この対談では、ご登場いただいたみなさまに「あなたがめぐらせたいものはなんですか?」という問いを投げかけています。今日ご来場いただいたみなさんも、ぜひご自身のめぐらせたいものについて考えていただけると幸いです。


meguri代表・松本綾弓

司会進行は、フューチャーセッションズ代表・有福英幸さんにお願いしました。meguriの代表松本と、10年前に開催されたTEDxKids@Chiyodaで当時ボランティアとして関与していたご縁で出会い、いくつかお仕事もご一緒させていただいています。

最初のコンテンツは、ミャンマーでマイクロファイナンス事業に取り組む加藤侑子さん、“「うれしい」がめぐるお菓子”をコンセプトに「うんてん洋菓子店」を運営する仲間暁子さん、松本によるインスピレーショントークです。加藤さん、仲間さんには10周年連載の初回記事にもご登場いただきました。松本にとって2人は、同じ時期に創業しそれぞれの道を応援してきた盟友と言える存在です。


左から松本、加藤さん、仲間さん

なお、この日ご来場いただいた方には、うんてん洋菓子店のめぐるクッキーと、加藤さんがプロデュースするミャンマー自由ノ農園コーヒーのコーヒー豆を、自宅に帰宅してからも大切な人との対話を生むきっかけにという願いを込めプレゼントとしてお渡ししました。

鼎談記事にも書かれている事業の話やそれぞれの「めぐらせたいもの」の話をおさらいするなかで(詳細はぜひ鼎談記事をご覧ください!)、松本が次のように話すと会場からクスクスと笑いが漏れました。

松本:コンサルティングって、助産師のような仕事だと思っています。何かを生み出そうとしている人に寄り添い、声をかけたりさすったりしてサポートする。でも、最終的にはその人自身が生み出さなければいけません。私が代わりに全部やってあげることはできないんです。ときどき自分の熱が暴走し「こういうことがやりたいんじゃなかったの!? なんでやらないの!?」とクライアントを詰めてしまうこともありますが……。

有福さん:苦笑いされている方が何人かいらっしゃいますが、綾弓さんから詰められた経験のあるクライアントのみなさんでしょうか(笑)。

場の空気がふっとゆるみ、加藤さん、仲間さんからも「いちばん大変だったこと? 一緒に未来を描いて進んできたスタッフに横領されたとき」「お店の売上が落ちて気持ちが焦っているときは、楽しそうに談笑しているスタッフに『笑っている場合じゃないよ』と言いたくなる。けど、お客さんも、生産者さんも、スタッフを含めた自分たちも『うれしい』状態をめざしているんだから、と自分をたしなめる」といった暴露話が飛び出しました。



有福さん:鼎談では語られなかったお話が聞けましたね。では改めて、「これからの10年でめぐらせたいもの」を教えてください。

松本:私は基本的にノープランな人間なので、今後の展望を話すのが苦手です。もともと、「会社員のままキャリアを手放さず子育てするのは私には無理だ」と思って起業しました。「やるからには社会に役立つことをしたい」と進んできて、気づいたら10年経っていた、という感じです。

それで次の10年は、ということですが……自分がやりたいと思ったことを形にしたとき、会社や社会って最初にレスポンスをくれる場所なんですよね。すごくいい実験場だと思います。だから、「こうしたい」という願いは持ちつつ、それに固執はせず、トライ&エラーを繰り返していきたい。でも、「いまちゃんとめぐっているかな」という確認は常にしていたいし、「小さなアクションの積み重ねが大きな社会変化につながる」ということは意識していたいです。

仲間さん:お菓子って嗜好品ですよね。食べなくても生きていける。「じゃあ、お菓子の役割ってなんだろう?」ということを最近よく考えています。でも、誕生日にケーキが出てきたり、疲れているときに甘いものを貰ったりするとうれしくなりますよね。お菓子がある世界はやっぱり豊かだと思うし、そういう暮らしというか、小さな幸せのようなものをめぐらせていきたいです。



加藤さん:鼎談のときは綺麗でありきたりな言葉であえてこの解をまとめました。でも実は、2021年のミャンマー軍事クーデターから、ずっと2つのキーワードが頭をめぐっていて、まだその答えは出ていません。

ひとつは「災厄」。人のために生きてきたすばらしい人たちが、命の危険にさらされている。天災も辛い事ですが、それが人間の手で起こされる。なぜ起こされるのか、どう向き合えばいいのか……災厄に巻き込まれた後、その人たちは、抗う力も持てない。自分自身も、10年積み重ねてきたものが、音を立てて崩れてしまった。

この状況を説明できる唯一のことばがふたつめのキーワードで「理不尽」。今の状況をそのように感じています。ミャンマーだけではない、世界各地で争いが起きていて。道理に叶っているとはどうしても思えない。この光景はどんなめぐりによる過程なのか。答えは出ていないので、これから10年考えて行動し続けると思います。今日はお坊さんなどいろいろな方が来ていらっしゃるので、一緒にそうしためぐりについても考えを深めていけたら嬉しいです。

めぐるべきものがめぐると、いい形になる

休憩を挟んだ後は、メインコンテンツの「めぐる対話」へ。参加者のみなさんに、それまで加藤さん・仲間さん・有福さん・松本が座っていた席へ代わる代わる座ってもらい、「これからの10年でめぐらせたいもの」について話していただく、フィッシュボウル形式のトークセッションです。対談にもご登場いただいた自然電力の川戸健司さんオムロンフィールドエンジニアリングの榎並顕さんが先陣を切ってくださいました。


左から松本、榎並さん、川戸さん

川戸さん:連載第一弾の記事で、加藤さんが「やさしいお金をめぐらせたい」と話していましたね。それを見て、僕は「彩りのあるお金をめぐらせたい」と思いました。娘が生まれたとき、「彩世(さよ)」という名前をつけたのですが、当時住んでいたのは都心ど真ん中で、高層ビルと首都高速に挟まれて家から空がほぼ見えず、「こんなところで娘を育てられないぞ」と愕然としたんです。街に彩りがなく、灰色に覆われている。資本主義が悪いわけじゃないけど、行き過ぎるとなんだかおかしなことになるな、と実感しました。事業を通して資本主義のあり方を2〜3度変えて、彩りのあるお金をめぐらせたいです。



榎並さん:私は有冬典子さんと対談させていただいたのですが、テーマを伺った当初は「このテーマは難しい、話すことがイメージできない」と思いました。ですが当日、有冬さんとの対話にて、「会社は自分らしさを出すのが非常に難しい場ではあるけれど、自分が本当に大事だと思うものを、素直に大事にできる場にしていきたい」と感じました。有冬さんが長年かけて継続して取り組んでこられた方だから、その想いに深く共鳴しましたし、大いに勇気づけられました。




次の登壇者は、
榎並さんの対談相手であり内的リーダーシップ開発支援を行っている有冬典子さん、グリーフケア(大切な方を亡くされた方のケア)やスピリチュアルケア(余命宣告された方のケア)に取り組んでいる上行寺副住職の遠山玄秀さん、高齢社会の情報インフラ構築などに携わる中澤牧子さんです。


左から有福さん、遠山さん、松本、有冬さん、中澤さん

有冬さん:人が社会の中で被っている仮面を脱いで本音で生きるとその人らしいエネルギーがみなぎるし、そういう人たちが集まるとこの世界に必要なものが創発されていきます。オムロン創業者の立石一真さんも、「2025年から、裏表なく自分を生きている人々が共に何かを生み出す自律共生社会になる」という未来予測をされていますね。対談を通して、榎並さんはまさにそうやって生きてきた方だな、と感じました。私のやりたいことは、榎並さんのように生きる人を増やすことです。「1人ひとりが自分を生きること」をめぐらせたいと思っています。



遠山さん:私がめぐらせたいのは、ご縁とご恩です。人は気づかないうちに、いろいろなつながりによって生かされています。でも、誰かから受けた恩を返したいと思っても、その相手は亡くなっていることもある。だから、私はみなさんに「その恩はほかの人に送りましょう」とお話ししています。

先ほど加藤さんから「災厄をどう受け止めたらいいのか」という問いをいただきました。災厄から受けたものを、そのまま返すわけにはいきません。そして、災厄を受けた人だけで何かをするのも難しい。縁を広げていろいろな人とチームを作り、災厄によって失われたもの、損なわれたものを別の形で作り直していくしかないのではないかと思います。



中澤さん:私はずっと論理とか合理性ばかり重視してきて、企業のミッションやクレドというのがなんのために存在するのかわからなかったんです。でも、最近ようやくわかるようになり、自分でも「人って変わるんだな」と実感しています。ただ、そんな状態なので、まだ「これからの10年で何をめぐらせたいか」まではとても語れそうにありません。



続いて、サッカークラブ「クリアソン新宿」を経営する剣持雅俊さん、
10周年連載にもご登場いただいたヨガ講師のchamaさん、meguriの元顧問会計士の久保田克彦さん、ピープルマネジメントアカデミーの松田美幸さんが席に座られました。


左から松本、有福さん、松田さん、久保田さん、chamaさん、剣持さん

剣持さん:新宿区には「単身の高齢者や外国籍の方が多く、交流が少ない」「子どもたちがサッカーをする場所がない」などさまざまな課題があります。それらに対し、クリアソン新宿にもできることはたくさんあると思っています。たとえば、サッカーは言語が違っても一緒にプレイすることができるし、そこから交流が生まれることがあります。選手が高齢者施設に行くと喜ばれ、「試合を見に行くためにリハビリを頑張るよ」と言ってもらえたりします。僕自身、スポーツをしているときは、普段かぶっている仮面を脱いでありのままの自分でいられると感じています。スポーツは人と人をつないだり、心を解放したり、明日への活力を生み出したりする。そういう価値をめぐらせていきたいですね。



chamaさん:対談でも語ったことですが、ヨガやフィットネスなど、ウェルビーイングに関わる人たちの横のつながりってあまりないんです。なのでこの20数年は関係性をつくることを意識してきました。それを続けつつ、個人的には親の介護にかかりきりでなかなかめぐらなかったお金を今後はめぐらせていきたいです(笑)。



久保田さん:10年ほどNPO法人カタリバで役員をしていたのですが、年齢や肩書を取り払って相手と向き合うと、一気に深い話ができるんですよね。人間は、誰かと気持ちをシェアしたい欲求が強い生き物で、そのために言葉を生み出し、文明を発展させて社会システムを作ってきたのだと実感しました。

ときには、人に対して厳しい言葉を投げかけなければいけないときもあります。投げられた側の心の水面には、波紋が起きる。同時に、投げた側もその波紋を自分の水面に写し取らなければいけないのではないでしょうか。波紋を引き受ける心構えがないまま一方的に厳しい言葉を投げると、誤解や衝突が生じます。波紋をお互いに写し取るようなコミュニケーション、関係性をめぐらせていきたいと考えています。



松田さん:私が応援している福岡のNPOは、「どんな“わたしらしさ”にも、あたたかな居場所を」というビジョンを掲げ、困難を抱えた子どもたちをサポートする活動をされています。そうした活動を見ていると、寛容さ、温かさというのは本当に大事だと感じます。綾弓さんもよく「自分の人生を生き切らないとだめ!」とおっしゃっていますよね。自分の人生を生き切るためにも、太陽のようにあたたかさをめぐらせていきたいな、と思っています。

10年前、太刀川英輔さんに投げかけられた問いに答える

全員にお話を聞きたいところですが、そうすると朝までかかってしまいそうです。「めぐる対話」の締めくくりとして、NOSIGNERの太刀川英輔さんを席にお呼びしました。


左から、有福さん、松本、太刀川さん

松本:10周年連載の第一弾記事でも語っていますが、太刀川さんにmeguriのロゴをデザインしていただいた際、「meguriがめぐらせたいものは何?」と問いかけられて、答えられなかったんです。でも、10年かけてようやく、「豊かな社会をつくろうという想いを持ったクライアントのみなさんのめぐらせたいものをめぐらせたい」という答えが出ました。アプローチは個人や会社によって異なっても、目指している方向性が同じなら調和するし、「これをめぐらせる」とひとつに決めなくてもいいと気づいたんです。それで、お世話になっているみなさんの「めぐらせたいもの」を改めて聞きたいと思い、この連載を企画したという次第です。

太刀川さん:そっかぁ。僕は占部まりさんとの対談のなかで、まりさんの「流れに逆らわない、無理に何かをしようとしない」という発言を受けて、「物事が綺麗に流れるようにすると美しい形になる。だから、“こうしよう”という強い意志は必要ないのかもしれない」という主旨の発言をしました。それに通じる気がしますね。

川戸さん:ちょっとだけ発言していいですか? meguriが個々のクライアントをサポートするだけだと、1対1の関係がたくさんある印象で「めぐっている」感があまりないけど、僕は今日この場に来て、「つながりがある人がめっちゃ多いな」と驚いたんです。meguriの前には目指しているものが近い人たちが集まっていて、その人たちがつながると、新しい流れが生まれて広がっていく。そういうめぐりをつくっているのがmeguriじゃないかな、と思いました。

榎並さん:川戸さん、今日は冴えてますね(笑)。

川戸さん:僕はいつも冴えてますよ!



松本:いま川戸さんがおっしゃったことはまさにそのとおりで、1人でできること、一社でできることは限られているから、いろいろな人と手を組んで一緒にやっていけたら、と思っています。今日のこの場も、そのひとつですね。

有福さん:連載や今日のこの場を通して、本当にたくさんの方々がご自身の大事にしていることを熱く語ってくださいましたが、それも太刀川さんが10年前に「めぐらせたいものはなんですか?」というパワフルな問いを投げかけてくれたからだと思います。翻って、これからの10年に向けて、太刀川さんから綾弓さんに新たに投げかけたい問いはありますか?

太刀川さん:えーっ、いきなり聞かれると難しいな、なんだろうな……。あ、いまmeguriのロゴが映し出されていますが、ちょっとこの話をしてもいいですか。このロゴの中心にあるのは、カタカナのメなんです。メが結節点になっていて、それがあることで無限にめぐっていく形になっています。10年経って、meguriはちゃんとこのメのような結節点になりましたね。そうなって、見えた景色はどうですか?

 

松本:見えた景色。うーん、そうですね……私、3.11のとき、自分が何の力も持っていないことに対してものすごく苛立ちを覚えたんですよ。ただ津波の映像を見ているしかできなくて、本当に悔しかった。それでいま、何かをつなげられるようになって、「力がほしい」とは思わなくなったけど、代わりに見えてきたのは「平和ってつくれるかも」という感覚です。マクロに目を向けながらミクロを積み重ねることで、より良い社会をつくることができるんじゃないか、という実感を持てるようになりました。

太刀川さん:素敵ですね。僕も同じことを思っています。対談のとき、僕は「水と空気とエネルギーをめぐらせたい」と話しました。その背景には、「人間以外の生物が、人間の奴隷になっている」という感覚があるんです。相手は喋れないから、惨状を訴えることもできない。でも、絶対になんとかしないといけない問題でしょう。綾弓さんはこの問題をどうすればめぐらせられると思いますか?

松本:……どうしよう、ものすごく難しい問いをもらっちゃった。

榎並さん:私からひとつシェアしてもいいですか。先日、アイヌのお祭りに参加してきたんです。人類の存在によって絶滅したすべての動植物に対しての鎮魂祭です。人が鎮魂の念を込めて祈ると、それがカムイ(神)の世界に届き、共有されて、巡りめぐって動植物の魂がまたこの世界に戻ってくる。アイヌの人たちは、そうした大きな「めぐり」の世界に生きているんです。だから、人間以外の生物が奴隷になっている現状も、最初に加藤さんがおっしゃっていた「災厄」も、私たちがきちんとその状況を引き受けて、願いや祈りの気持ちを持って行動していけば、また循環させることができるんじゃないかと思います。



松本:榎並さん、ヒントをありがとうございます。私もこれからの10年で、この問いについて考えていこうと思います。

太刀川さんに、私からも伝えたいことがあります。太刀川さん、この10年で世界的なデザイナーになりましたよね。そうやって立場が上になっていくと、社会や世界にいかにインパクトを残すかという視点だけが強くなり、自分の周囲のこと、目の前にある小さなことに目が行かなくなってしまう人もいると思うんです。でも、太刀川さんは対談のときに「ミクロとマクロの両方を意識している」と語っていて、「あぁ、さすが太刀川さんだな、素敵だな」と感じました。

太刀川さん:ありがとう。それには原体験があるんです。大学の卒業設計で、脳がニューロンをつなぐ形、神経のつながりが最適化される形を参考に公園の街路計画を考えたら、歩道の面積をかなり減らせたんですよ。顕微鏡で見るマクロな世界と航空写真で見る大きな川の流れも似たような形をしていますよね。その頃から、「目に見えないくらい小さいものにヒントがある」と思うようになりました。

リチウムイオンバッテリーを作った人と話したことがあるけど、あれもすっごく小さいものに着目することで世界を変えた事例です。世界は相似形でできているから、目の前の小さいことに対して「取るに足らないもの」なんて思わず、真摯に取り組んでいくことが大事なんだと思います。そういう人が増えれば、世界が変わっていく。



有福さん:この話、もっとじっくり深掘りしていきたいところですが、私の今日の役割は「ちゃんと締めること」なので、このあたりで……。今日ここに来てくださったみなさんは、心身のケアとか、地域振興とか、企業のサポートとか、それぞれまったく異なる活動をされていますが、そうした一つひとつの活動がつながって社会を変えていくんだろうなと実感しました。ご登壇いただいたみなさま、ありがとうございました。

当初45分間を予定していた「めぐる対話」ですが、盛り上がりすぎて気づけば30分以上時間をオーバーしていました。途中から有福さんは、「みなさんの話がおもしろいから悩ましいけど、時間を考えるともう締めなければ……」とかなり葛藤されていたようです。有福さん、難しい場のファシリテーションをありがとうございました!



休憩時には、初対面の方同士が談笑したり、知人友人を紹介したりする姿があちこちで見られました。この場から新たなご縁が生まれていたら幸いです。



会の終わりに、松本が通信制高校に通いながら働いていたときの上司である中川正道さんからメッセージをいただきました。

中川さん:彼女が16歳の頃は本当に生意気で……いまもあまり変わらないかもしれませんが(笑)、当時は付き合いが25年も続くとはまったく想像していませんでした。現在は、「meguri」という名前の通り、いろんな方達をつないで、想いをめぐらせて、大きな価値を生み出していると思います。1人ひとりとの関係性を大切にしてきたから、今日のこの温かな場があるんだな、としみじみと感じました。これからも変わらず、みなさんと一緒に物事をめぐらせていってください。

中川さんからの激励の言葉に、会場は温かな拍手で包まれました。これにてパーティは終了です。ご参加いただいたみなさま、一緒にmeguriの10周年をお祝いしてくださってありがとうございました!

 

長文のレポートになりましたが、パーティに参加してくださった方、連載を読んでくださった方、いつもお世話になっている方へ向けた松本からのメッセージを最後に記載して、記事を締めくくりたいと思います。

昨今、地球温暖化や人口爆発、食糧不足、エネルギー問題、戦争など、さまざまな社会課題が山積しています。これらの問題は、日々の暮らしや未来に大きな影響を与え、解決への道のりは簡単ではありません。

そんな時代だからこそ、「一隅を照らす」ことが重要だと考えています。仕事も、住まいも、それぞれの立場は異なりますが、これからも共に豊かな社会を次世代へ継ぐことを目指し、めぐらせたいものを積み重ねて社会につなげていけたらと存じます。

今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 

      

           株式会社meguri 松本綾弓

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